曖昧ろじっく。

さざめごと きれいごと よまいごと ざれごと よしなしごと
さざめごと きれいごと よまいごと ざれごと よしなしごと

ノスタルジー

ランドセル背負っておじいちゃんとおばあちゃんの家に帰ってた
月曜日は習字 火曜日は新体操 水曜日はお休み 木曜日はピアノ 金曜日は日本舞踊
その頃にはパパりんは同じお家には居なかった
新しく建ったお家にパパの部屋がないことに気付かない
大人が気付かせたくないことがあることには気付いてた

そのうちきれいな島へ数年
少なくない子供は施設の子
多くの子供がキリスト教
遠足やラジオ体操は教会で、多くの友人の日常に当たり前に教会があった
優しさと真心が空気に溶けている
あんなに純度の高い場所はない
12歳の私はこの1年間が最良だと思ったしこれはなかなか超えられないぞ困ったな

いつも山と海に囲まれているし星はいつも満天でした
島にいる間にリボンや扇子にかわって鳴子を持つ日が組み込まれた

母の夫ではなくなったパパりんはそれでも私たちのパパだという話の数年後
パパはうちのパパではなくなったと聞かされバレンタインの勘定マイナスひとつ

パパがだいすきだと思ってたけどそういうわけにもいかないみたいだしそもそも本当にだいすきなのかもわからないしだけどきっとこれは悲しむべきことなのだと一人で泣いてみようとする 不得手
嫌いにならなくてもいいし嫌いにはならないしだけど好きでもいないほうがいいのかもしれないと思ったのか思わなかったのか好きなことに関してはもういつからどのように忘れたのかはわからない

そこから干支が一周した春になってもパパへの気持ちは宙ぶらりんのままただ曰く言い難い虚しさで流れた涙に私が名前をつける前に つけるつもりもないけど けれどそれを見た人は私を慰めたくて涙に悲しみを見いだしたりすることを私はどうすることもできない 違うと心で呟く

誰かのことを好きでいることも幸せを願うことも大切にしていたいけれど、少し遠くのところでそれを許されたいと願うことが私の方法だから私は私を見つめられたときに途方に暮れて逃げ出したくなる。それは知らない方法で随分前に取り止めて取り止めるという意識すらなくどこかに静かに置いてきてしまったものだからもう掘り返すことも難しい

私が誰かに捧げたい類いのものを此方に与えられるとなると逃げ出したくなるのは、私が与える側なら悲しいのにでも私にはとても方法が分からないからただ好きでいさせてほしいというわがままで人を悲しくさせないように静かに想っていたいのはだめかしら

男の子を好きになったりしたけれど、違うところでいつもいちばん大切な女の子がいてその子の優しさに癒されて憧れたおかげで私は優しくあることに憧れてそう願った。

あるいはいっそそのような意味で女の子を好きならまだ行き場があったのか。

どこかに必ず行かなければ許されないのかな。好きな人や素敵な人はたくさんいるから名前なんかつけてないで全部眩しく見つめてたいよ。私は眺めていたい。

風になってしまえたらと希望に満ちた願いを持った女の子がいたんだよ

眺めて駆けて少し遠くから

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