最近水を飲むことが多い。
ただ何となく手に取る。とりあえず手に取る。
自然な行動の中に入り込みやすいのだな水は。
***
そんな水が切れて水分欲しくてたまらず、アパート前の自販機を訪ねる23時過ぎ。
私は視力がよろしくないです。
夜空はおそらく綺麗なのだろうけど、月だって星だってぼやけている。
眼鏡と裸眼て、やっぱり私の中では大分価値が違うのだけど、
しかし取り戻せるわけでもない。
月が明るくて、雲を照らしていて。
夜空に雲が一筋棚引いていて、そこだけ申し訳程度に明るくて。
それは道のようで。
けれど月が通った跡といったようなものとはまた違う。
まるで波打ち際のような、潮のような、夜の浜辺で。
それを横目に散歩でもしているかのような、月と雲の距離。
夜の海辺。
海が空を映すことはあるのだから、その逆だってまた然りなのだと。
そう誰かに言ってほしい。
水を買うとき、自販機の前で白い蜘蛛が浮いていた。
商店の名残の屋根から糸を垂らして。
自販機からの光で白く光って。
それが月明かりによるのものであれば綺麗で怖かっただろう。
私にとっては不気味でもある。
詩的な夜の場面に出くわしたのに、とても写真に収まるものではない。
そして私の目は最早信用ならない。
けれど焼きついた光景を、残したい、覚えていたい、と思うのに。
きっと全てを抱えてずっといける程私の記憶は上等ではない。
脚色しながら何度も何度も繰り返し思い浮かべるだけ。
焦がれるだけ。
不思議で不気味で美しいと思いました。
そしてとても爽やかな夜。
おやすみなさい。
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