SSS【手紙】独白/暗
赤イ焔ニ眠ル貴方ヘ
果たしてこの問い掛けに答え得る人が在るでせうか。
手紙を書くというに、私は宛名を、貴方の名を認める際に手を止めたのです。
貴方は私に、其の名を教えて下さりました。
闘いの為に誂えたのでない、貴方に宿りしその真名を。
私はとても嬉しく思いました。
同時に悲しく、どうにも遣りきれない思いに苛まれました。
果たして貴方は誰であらうとしたのでせうか。
私が出会つた貴方は未だ闘いに生きる人でしたので。
そして闘いを長らく終えることはなかつたので。
思うに貴方はその命ある限り、其の身を灼きながら、死しても尚生きるつもりであられたのでせう。
その様な貴方故に私も魅かれたのでせう。
私はただ過ぎた日々は幸せであつたと述べませう。
随分な果報者でありました。
そうすると貴方は逆を謝そうとするやもしれませぬ。
しかし、現に完璧なるモノは存在しはしないでせう。
私は只管に此の縁に感謝しております。
さて、貴方は果たしてどうだつたのでせう。
或る夜に仰つた其の真名にて生きることを最後には望んだのでせう。
まるで焔の中を自ら渡らうと常になさつていた貴方が、
私に求めた、其の真の望みを何れ程愛ほしく思つたことでせう。
けれども其処には矛盾が在りました。
焔の中を望む貴方が、本来授かりし其の真名で生きんとすることは、
「貴方」を放棄することでした。
けれど貴方に限つてその様なことは有り得ませぬ。
だとすれば、貴方が望んだのは刹那の契りであつたのでせう。
燃え尽き、灰にならんとする其の刹那。
貴方は「貴方」として私と共に生きやうとして下さったのでせう。
先を見据えた貴方に抱く色々の気持ちは、やがて穏やかに溶けゆき、ただ只管に私は貴方のお帰りを待つのみとなりました。
複雑さも勿論ありました。
お帰りを迎えるや否や、またお出かけを見届けなければならないのですから。
「貴方」の名を呼んだ際に零れた泪にも、また色々の想いが混ざり合っていました。
哀しくて。
愛しくて。
・・・どうにも言葉にすると私の元よりの想いからは過不足が生じてしまいます。
何時でも貴方への想いは静かに此の身に収まつてはくれませぬ。
だうか貴方。
其の身に内包した二つの魂に震える時は、そつと夢路を急いで下さいな。
其の路を行けば私も貴方に会えませう。
「貴方」に。
「貴方」に。
鳥渡でもいい。
灰になる前に。
此の手紙が貴方に届く前に。
「「貴方」」と溶け行けば、きつと私も呼べる筈でせう。
刹那ではない、変わることのない其の名を。
だうかそれまでお元気で。
目蓋の裏で揺ら揺ら燃ゆる、
緋イ焔ニ眠ル貴方ヘ
此の想いを認め終わるまでには、眠りに着けますやう。
***
【遺言】と対のようなそうでもないような。
相変わらず滅茶苦茶な句法やら流れやらですみません。
回りくどい言い方ではありますが、一応書こうと思ったことは書いたつもりです。わけわからーん、とまぁ、そんな感想をお持ちになってもかまいません。だってこれ、人が読んだらわけわからんですよねー笑。
星霜編志向です。いちおー。
果たしてこの問い掛けに答え得る人が在るでせうか。
手紙を書くというに、私は宛名を、貴方の名を認める際に手を止めたのです。
貴方は私に、其の名を教えて下さりました。
闘いの為に誂えたのでない、貴方に宿りしその真名を。
私はとても嬉しく思いました。
同時に悲しく、どうにも遣りきれない思いに苛まれました。
果たして貴方は誰であらうとしたのでせうか。
私が出会つた貴方は未だ闘いに生きる人でしたので。
そして闘いを長らく終えることはなかつたので。
思うに貴方はその命ある限り、其の身を灼きながら、死しても尚生きるつもりであられたのでせう。
その様な貴方故に私も魅かれたのでせう。
私はただ過ぎた日々は幸せであつたと述べませう。
随分な果報者でありました。
そうすると貴方は逆を謝そうとするやもしれませぬ。
しかし、現に完璧なるモノは存在しはしないでせう。
私は只管に此の縁に感謝しております。
さて、貴方は果たしてどうだつたのでせう。
或る夜に仰つた其の真名にて生きることを最後には望んだのでせう。
まるで焔の中を自ら渡らうと常になさつていた貴方が、
私に求めた、其の真の望みを何れ程愛ほしく思つたことでせう。
けれども其処には矛盾が在りました。
焔の中を望む貴方が、本来授かりし其の真名で生きんとすることは、
「貴方」を放棄することでした。
けれど貴方に限つてその様なことは有り得ませぬ。
だとすれば、貴方が望んだのは刹那の契りであつたのでせう。
燃え尽き、灰にならんとする其の刹那。
貴方は「貴方」として私と共に生きやうとして下さったのでせう。
先を見据えた貴方に抱く色々の気持ちは、やがて穏やかに溶けゆき、ただ只管に私は貴方のお帰りを待つのみとなりました。
複雑さも勿論ありました。
お帰りを迎えるや否や、またお出かけを見届けなければならないのですから。
「貴方」の名を呼んだ際に零れた泪にも、また色々の想いが混ざり合っていました。
哀しくて。
愛しくて。
・・・どうにも言葉にすると私の元よりの想いからは過不足が生じてしまいます。
何時でも貴方への想いは静かに此の身に収まつてはくれませぬ。
だうか貴方。
其の身に内包した二つの魂に震える時は、そつと夢路を急いで下さいな。
其の路を行けば私も貴方に会えませう。
「貴方」に。
「貴方」に。
鳥渡でもいい。
灰になる前に。
此の手紙が貴方に届く前に。
「「貴方」」と溶け行けば、きつと私も呼べる筈でせう。
刹那ではない、変わることのない其の名を。
だうかそれまでお元気で。
目蓋の裏で揺ら揺ら燃ゆる、
緋イ焔ニ眠ル貴方ヘ
此の想いを認め終わるまでには、眠りに着けますやう。
***
【遺言】と対のようなそうでもないような。
相変わらず滅茶苦茶な句法やら流れやらですみません。
回りくどい言い方ではありますが、一応書こうと思ったことは書いたつもりです。わけわからーん、とまぁ、そんな感想をお持ちになってもかまいません。だってこれ、人が読んだらわけわからんですよねー笑。
星霜編志向です。いちおー。
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